1952-05-07 第13回国会 衆議院 通商産業委員会公聴会 第2号
鉱害の中心部であります長崎県の北松浦郡一曹は、いわゆる薄層炭でありまして、ために福岡県に見るような広大な地域におきます水没地帶は割合少いのであります。むしろ水源枯渇とか、傾斜田等の被害が顕著に現われております。
鉱害の中心部であります長崎県の北松浦郡一曹は、いわゆる薄層炭でありまして、ために福岡県に見るような広大な地域におきます水没地帶は割合少いのであります。むしろ水源枯渇とか、傾斜田等の被害が顕著に現われております。
一つは最近電源開発は御承知のようにダム式でありますので、大きななダムをつくるほどたくさんの水没地帶ができる。それは上流部が水につかるために何十戸、何百戸というものが立ちのきをしなければならない。今まで先祖代々耕して来た田畑が水につかつてなくなつてしまう、郷土を失うというような問題が各地に生じた。
私共の意思を申し上げますると只今総合開発として各地に大きなダムを建設するためには、場合によつては水没地帶として何百戸という現在先租代々の土地を持つておる者の犠牲を敢てしてまでもそれを遂行して、將來の日本のために開発地帶としたいというような考えを持つておられる。
前國会におきまして新日本化学工業の水没地帶の方から本院に、参議院に請願でしたか陳情でしたか忘れましたが、出たのであります。それはダム建設絶対反対という意味の請願であつたと思います。本委員会にかかりましてこの請願をどうするかということが問題になつたのでありますが、これは委員会として何も知らない。
これがために当然各地に堰堤が構築されるようになつて來るのでありますが、狹隘なる風土におきましては、山間郡まで住居を構え、生業を営んでおりまして、堰堤構築によりまして惹起する水没地帶には、必ず住民の立退き問題が出て來るのであります。